COLORS

Giving form to the invisible

自閉症の息子とともに過ごす日々のなかで立ち現れる、微細な感覚や記憶の揺らぎを詩と紙作品、インスタレーションによって確かめています。
反復するしぐさ、ことばになる前の気配、光や音の残像 --- そうした断片を手がかりに、触れえない感覚の輪郭を探り続けて。

共に歩く風景

光。
音。
気配。
言葉になる前の感情の揺らぎ。
彼はそうした無数の刺激を、薄い皮膚で世界に触れるように受け取りながら生きています。
その繊細さは、ときに苦しみとなり、生きづらさとなって彼を包みます。

混沌のなかで握りしめている確かなこと。
唐突にこぼれるユーモア。
傷つきやすいからこそ辿り着ける、静かな歓び。
彼には不思議な美しさがあります。

私はかつて、彼の見ている世界に戸惑いと不安を感じていました。
どうして苦しいのか。
どうして届かないのか。
分からないまま、互いに孤独を抱えていた時間がありました。
彼を変えようとするのではなく、彼の感じている風景に目を向けたとき、日常は少しずつ別の光を帯びていきました。
弱さや脆さ、繊細さは、ひとつの美しさなのだということ。
脆いものに触れるには、やわらかさや丁寧さが必要なのだということを息子から学びました。

私の表現は、自閉症と共にある暮らしのなかで出会った、感覚や記憶、言葉にならない気配を辿る試みです。
知ること。
知ってもらうこと。
その小さな往復のなかで、人は孤独から少しずつ離れ、安心へ近づいていけるのだと思います。
作品を通して、感受性の違いが「隔たり」ではなく、新しい風景として誰かの心に触れることを願っています。
互いに手を取り合いながら歩める未来を信じて。