興味本位
ぼくは駅でパニックになった
あのころのぼくはパニックになることが多かった
きっかけはあちこちに落ちていて パニックはところかまわずぼくを襲ってきた
おかあさんは襲われているぼくを助けようと必死だ
でもおかあさんの切迫した感じはぼくの不安をますますあおった
ぼくたちふたりでどうにもならい状態だった
ひとが近づいてくる
救われたようなきもちで顔をあげたおかあさんとぼくを見ていたのは
ケータイのカメラの目と温度とかきもちがないようなそんな目だった
おかあさんは泣きながらぼくを抱きあげ ぼくの顔をかくして走りだした
ふたつの目はわりとしつこくいつまでもついてきた
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