小さい子はぼくのとなりでブランコにのっている
その子のおとうさんはケータイでんわを見ている
ぼくはあの子があぶなっかしくて目がはなせない
でも あの子のおとうさんがぜんぜん見ていない
ぼくはあの子がブランコから落ちてしまいそうな気がして どきどきして見ている

やっぱり落ちちゃった
あの子が泣いた
ぼくは自分の予想どおりになったことで ちょっとびっくりして「きゃっ」と言って飛びあがった
あの子のおとうさんがぼくをきびしい目つきで見た
ぼくは自分の予想どおりになったから声が出ちゃったんだ