見え方が引き起こす問題

Sensitivity , 2010 - 2022

小さいころ ぼくの見ている世界はいつもまわりが黒くかげっていた
両手で双眼鏡をつくってのぞいたような見え方で
近くのまわりが見えにくかった

そのころのぼくは何が何だかわからない世の中に
すごくビクビクして いつもパンパンになった風船みたいな状態
いつでも どこでも きっかけがあれば簡単にぱんっと割れた

そんなぼくの前に ひとは急に視界をふさぐように入ってくるから
それはもう跳びあがるほどびっくりして
ぼくは大慌てで逃げようとして ぶつかったり
押しのけたり はたいたりしてしまった


ぱんっと割れて散り散りになった ぼくのいろんなきもちはそこに置きざりになったまま

ぼくという存在と行動だけがセットになって
大きな足音をたててひとり歩きしていた