山くだり

Sensitivity , 2010 - 2022

山の頂上にいる
ぼくは はやくくだりたくてうずうず

おかあさんは言った

いいですか
くだりこそ ゆっくりしんちょうに
くだりをなめてはいけません
ゆだんしちゃいけません
あわてたり
ふざけたり
さわいだり
はしっちゃいけません

ぼくはおもう
なんだか長ったらしくて いまいちわかんないな
どんどん回転数が上がってきたぞ

行っちゃえ
ぼくはかけ下りる
「あっ こら」というおかあさんの声を背中で聞きながら ぼくははしる

楽しくなってきた
笑っちゃう
あははははーうひひひひっーきゃはははーぎゃははははーあれあれれー
ぼくは止まらなくなる

足が止まらない
足にからだが追いつかない
いや からだに足が追いつかない
転んじゃうかもしれない
コントロールできない
こわいよー
ぎゃぁー
「だからいったでしょうがぁー」というおかあさんの怒鳴り声のような 叫び声がぼくをおいかけてくる
おかあさんはやっとの思いで ぼくに追いついて へなへなへとへと
おかあさんは いつまで追いかけることができるか 追いつけるか わからないと泣きながらひーひーと怒る

ぼくがテンションが高くなりすぎると こういうような事態になることが多い