おかあさん痛恨のミス
ぼくはずっと小さいころ
あまり食べない 出ない 眠らない子だった
日中たくさん動いたらお腹が空くから食べる→出る
夜は疲れて体を休める→眠る
おかあさんはそれを目指した
ある日午後のお散歩は遠出してハイキング
山の上の方にあるローラー滑り台を楽しんだ
長い滑り台を滑るために何度も坂を登った
遊んだね 楽しかったね ヘトヘトだね
帰りはバスで帰ろう
まっすぐ行けばおうちの近くまで行く
あとはもりもり食べて お風呂ですっきりして コテンと眠る
ぼくもそのイメージだった
でもバスは予想もしないところで曲がった
バスはおうちからどんどん離れていく
唖然と疲れとバスの長い揺れにぼくは眠くなってきた
おかあさんは「ここで眠らないで」「夜眠れなくなっちゃう」と言っている
「こんなにヘトヘトになるまでがんばったのに」
「最後の最後で..乗るバス間違えちゃった..」
ぼくはおかあさんの声を聞きながら眠った
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