あのときこの坂のとちゅうで

Sensitivity , 2010 - 2022

あのとき この場所 この坂を ぼくはたくさんのお友だちと先生 おかあさんと歩いていた

ぼくは不安でのどが渇いていた
坂のとちゅうで苦しくなって「お茶のむ」と ぼくはなんども言った
「ここではお茶は飲んじゃだめ」と言われた

ぼくは苦しくて その場で転がって泣いた
先生とお友だちは坂の上で 手拍子をしながらとても大きな声で「がんばれ!がんばれ!」と言いながらぼくを見ていた
もういやだ やめて ぼくはおかしくなりそうだった
おかあさんも先生の言いなりなの? ぼくは泣き叫んだ
そのあとぼくは両脇から抱えられて 泣きながら最後まで歩いた
着いたら先生に「がんばったーえらい もうお茶飲んでいいよ」と言われた
ぼくはもう飲む気も 笑う気も たのしいきもちもなくなっていた

あの出来事からぼくは少し大きくなった
でも この坂にさしかかると お茶が飲みたくなる
おかあさんに「お茶のむ」と言って水筒をだしてもらう
そしてここで水筒のお茶を飲みほす